今月の主題 症例から学ぶ水電解質・酸塩基平衡異常
症例・K代謝異常
糖尿病性腎症にみられた高K血症と高Cl性代謝性アシドーシス
佐々木 環
1
,
柏原 直樹
1
1川崎医科大学腎臓リウマチ内科
pp.894-897
発行日 2000年6月10日
Published Date 2000/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907491
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【症例】73歳,男性.40年来の糖尿病歴があり,10年前より蛋白尿と高血圧症を認め近医にて内服治療が開始された.1年前より蛋白尿の増悪と腎機能低下が認められ,精査目的で紹介入院となった.血圧190/100mmHg,眼底は福田分類A-1期.
〈入院時〉
血液生化学:Na 142mEq/l,K 5.9mEq/l,Cl 112mEq/l,Posm 298mOsm/kg,Cr 2.05mg/dl,BUN 40mg/dl,UA 7.8mg/dl
動脈血血液ガス:pH 7.346,PCO2 32.0mmHg,HCO3- 18.0mEq/l
尿所見:蛋白尿(3+),糖(1+),潜血(±),沈渣:赤血球 20〜30/HPF,穎粒円柱が認められる.
尿電解質:Na 90mEq/l,K 10mEq/l,Cl 75mEq/l,Uosm 374mOsm/kg
内分泌:PRA 0.1ng/ml/hr未満(0.2〜2.7ng/ml/hr),aldosterone 23pg/ml(29.9〜159pg/mの,cortisol 4.5μg/dl(2.7〜15.5μg/dl)
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