今月の主題 下痢と便秘
下痢と便秘の正しい理解
腸管の水分吸収のメカニズムと下痢の発症機序
馬場 忠雄
1
,
福田 方子
2
1滋賀医科大学第2内科
2大津市民病院消化器科
pp.1414-1418
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906162
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●下痢とは,水分を多く含む形のない糞便を排泄する状態である.
●下痢発生の機序には,水・電解質の分泌亢進,吸収障害,腸管運動亢進の3つがあり,三者が互いに関与して下痢は生じる.
●下痢は大量の体液・電解質損失をきたすが,腸管内に停滞する有毒物質を洗い流すという点においては生体防御的な側面をもつ.
●NaClの吸収は,①NaCl共役吸収(Na+/H+交換輸送およびCl-/HCO3-交換輸送の共同作用),②グルコース・アミノ酸などの有機溶質吸収と共役したNaCl吸収,③大腸に限局した起電性Na+吸収,④小腸におけるNaCl共役吸収(Na+/Cl-共輸送)のルートがある.
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