今月の主題 肝疾患診療 1999
少し高度な知識が必要な肝疾患
稀な肝疾患をどう診断するか
杉本 元信
1
,
落合 香織
1
1東邦大学医学部第2内科
pp.279-281
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905910
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●稀な肝疾患は,その存在を知っておくことが重要である.知ってさえいれば診断できる.
●ヘモクロマトーシスは,肝を含む諸臓器に鉄が沈着する疾患で,肝硬変,糖尿病,皮膚の色素沈着の三徴を示す.原発性(遺伝性)と続発性とがある.血清鉄の上昇,フェリチンの上昇を認める.
●ポルフィリン症は肝や造血臓器にポルフィリンの異常増加が起こり,特有の臨床像を示す.尿が赤褐色を呈する.晩発性皮膚ポルフィリン症は後天性が多く,光線過敏症や慢性肝障害を示す.急性間欠性ポルフィリン症は先天性で,腹部症状や神経症状で発症し,肝障害は軽度である.
●Wilson病は先天性銅代謝異常により肝,脳,角膜などに銅が沈着し,肝硬変,錐体外路症状,Keyser-Fleischer角膜輪の三徴を示す.血清セルロプラスミン値の低下を認める
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