増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
呼吸器疾患治療薬
抗結核薬
ピラマイド(三共)
町田 和子
1
1国立療養所東京病院呼吸器科
pp.264
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905585
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臨床薬理
●作用機序:他の薬剤では無効なpH5.0〜5.5の酸性環境下でも強い滅菌作用を示す.分裂増殖の旺盛な細胞外の菌のみでなく,代謝の障害された細胞内の菌にも有効.RFP(リファンピシン)との併用,特に治療早期の使用が有効.RFP+INH(イソニアジド)+SM(ストレプトマイシン)(EB;エタンブトール)に2カ月間PZAを加えた6カ月治療は,2カ月めの菌陰性化率の高いこと,再発率が標準治療と差のないことから,強力な短期治療として注目され,また住所不定者,在日外国人結核症例,糖尿病合併例,HIV陽性例など,問題のある症例の治療として特に期待される.
●血中濃度モニタリング:胃腸から容易に吸収され,全組織に速やかに分布,特に髄液への移行が良好.血中濃度のピークは服用2〜5時間後で,半減期は10時間,肝で代謝,腎に排泄.
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