増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
感染症治療薬
ペニシリン系抗生物質
ペントシリン(富山化学—三共)
青木 眞
1
1国立国際医療センター国際医療協力局AIDS医療情報室
pp.452
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905715
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臨床薬理
●作用機序:およそ30ほどの酵素反応が関与する細胞壁の構成物ペプチドグリカンの合成を障害することによるとされる.ペニシリン結合蛋白(penicillin binding protein:PBP)と呼ばれるペプチドグリカン合成に関与する酵素の障害も重要な作用機序である.「抗緑膿菌用ペニシリン」と分類される薬剤であり,さらにカルボキシルペニシリンとユレアイドペニシリンとに大別される.ユレアイドペニシリンはナトリウムの含有量が少なく,さらにクレブシエラ,腸球菌に対する活性がすぐれているため,カルボキシルペニシリンを実質上置き換えてしまった感がある.
●吸収・分布・代謝・排泄:筋注か静注で用いる.特に投与量の約1/3が胆汁中に排泄され高濃度の胆汁濃度が得られ,腎機能障害時にも比較的投与量の変更が少なくてすむ.
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