増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
消化器疾患治療薬
止痢薬・整腸薬
ロペミン(大日本)
桜井 幸弘
1
1関東逓信病院消化器内科
pp.135-136
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905488
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臨床薬理
●作用機序:歴史的にも麻薬は強い止痢作用が知られており,その薬理作用の研究が進み,内因性オピオイドレセプターが明らかになった.オピオイドレセプターには少なくとも3つあることが確かめられている.塩酸ロペラミドはこのレセプターの1つに作用し,腸管運動の抑制を選択的に行い,かつ水分電解質の分泌を抑制し,吸収を促進し,強い止痢作用を現すとされている.コデインと同様でモルヒネとは異なり,中枢への取り込みはなく,多倖症をきたさない.また,消化管での作用は麻薬のような耐性がなく,いつまでも同じ量で有効である.消化管からの吸収は悪く,投与後4時間ほどで血中濃度はピークに達するという.また腸肝循環をするとされている.
●血中濃度モニタリング:血中濃度を測定する意義は少ない.
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