今月の主題 心不全を見直す
心不全の診断と重症度評価
心不全の診断と評価の進め方
弘田 雄三
1
1大阪医科大学第3内科
pp.858-861
発行日 1996年5月10日
Published Date 1996/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905084
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ポイント
●急性肺水腫,ショックの患者では,心筋梗塞,解離性大動脈瘤,肺塞栓症,急性弁不全,急性心膜・心筋炎を念頭に置き,検査と治療を同時に始める.
●慢性心不全患者の増悪時には心不全の治療とともに“増悪因子”を検索・治療する.
●慢性心不全患者の病歴では,息切れ,風邪に注意する.
●浮腫を認める患者では静脈圧を目測し,右心不全か否かを確認する.
●左心不全の診断には,胸部X線写真が重要である.
●基礎疾患の診断,病態(収縮期vs拡張期障害),障害の程度の判定には心エコーが有用である.
●重症度の判定は症状の解析によって行い,補助手段として運動負荷を実施する.
●高齢者,治療不可能な他臓器疾患(悪性腫瘍,痴呆,重症肺疾患など)を併発する患者を除き,すべての患者において基礎疾患の確定診断を行い,根治療法の有無を検索する.
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