CHEC-TIE—よい医師—患者関係づくりのために・2
患者から前医への不満や非難を向けられたら
箕輪 良行
1
,
柏井 昭良
1
1自治医科大学大宮医療センター総合医学第2
pp.404-405
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904395
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●症例前医の診断ミスを疑う患者
スギタさんは,68歳,女性で,右乳房痛を主訴に受診.2年ほど前から痛みに気づき,昨年末には就寝時にほぼ毎晩痛みがあった.寝間着に血のようなものが付くため,近くのK病院の外科を受診した.診察を受け,超音波検査,吸引穿刺細胞診検査,腫瘍マーカーを調べた結果,「今のところ大丈夫です.6カ月後にまたみせてください」と医師にいわれた.
その後半年たっても症状が変わらないので,当院を受診した.乳頭が陥没気味で一部変色がみられ,乳頭直下に母指頭大の硬結が触知される.胸壁固定はなく,右腋窩に径1cmの硬性軟のリンパ節が触れた.X線上,微細石灰化なし.血性分泌物は細胞診陰性.超音波検査や吸引穿刺細胞診が施行され,クラス5という結果だった.病期はT4,N1a,M0のステージIIIaであった.
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