“ホッ”とspot
ひと口に胸痛といっても
竹下 泰
1
1明治記念病院内科
pp.217
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904052
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患者は左鎖骨骨折と左肋骨骨折で整形外科病棟に入院中の50代の男性.既往に高血圧と狭心症があり,現在も加療中である.入院後1カ月くらいしてから時折り左胸痛を訴えるようになり,内科へ相談があった.入院時のX線に骨折以外の異常はない.胸痛時の心電図にわずかなST部分の変化を認めるため,亜硝酸剤などを増量すると症状は軽快し,これで一見落着と考えてしまった.
ところが,1カ月くらいしてから再び左胸痛を訴えるようになってきた.心電図や血液検査では異常なく,骨折の経過観察のために撮影されたX線像にも骨折以外の異常は出ていない.
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