今月の主題 見えてきた腎疾患
腎疾患を持つ患者の外来一般診療
画像検査で偶然異常を指摘された無症状患者のフォロー
津ケ谷 正行
1
,
林 祐太郎
2
,
郡 健二郎
2
1豊川市民病院泌尿器科
2名古屋市立大学医学部泌尿器科
pp.1929-1931
発行日 1995年10月10日
Published Date 1995/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903871
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●単純性腎嚢胞は頻度が高く,加齢とともにその大きさと数が増加する.
●腎細胞癌は単純性腎嚢胞や多房性腎嚢胞に類似した画像所見を呈することがあるため,注意深い鑑別とフォローが必要である.
●腎における石灰化所見は尿路結石と決めつけないで癌の石灰化の可能性を考慮する.
●腎盂腎炎や腎外傷の血腫は時に無症状で,腎腫瘤として偶然発見されるが,十分な病歴とフォローアップCTなどで診断でき,過剰な腎摘除術を避ける.
●腎血管筋脂肪腫は良性であるが,自然破裂をきたすことがあるため,フォローは原則として4cmまでにすべきである.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.