今月の主題 急性心筋梗塞Q&A
急性心筋梗塞の合併症に対する治療
緊急冠動脈バイパス術はどの症例にいつ必要か
銕 寛之
1
,
麻田 達郎
2
1兵庫県立姫路循環器病センター循環器科
2兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
pp.1568-1571
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903802
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ポイント
●急性心筋梗塞(AMI)に対する緊急CABGの適応は待期的CABGと同様に,多枝病変例,左主幹部病変例,他枝の陳旧性心筋梗塞合併例である.
●治療戦略としてまず早期再灌流療法を行うが,血行動態が不安定で責任冠動脈の再灌流だけでは改善が望めない例,IABPを使用しても遷延性心筋虚血,心不全あるいは心原性ショックを呈する例は,緊急CABGの適応を考える.
●緊急CABGにおける術前の最大の危険因子はショックで,手術成績が極端に悪くなる.手術時期の決定にはショックを予測した的確な術前診断が重要である.
●緊急CABGの院内死亡率は待期的CABGに比し極めて高いが,長期生存例の予後は良好で,梗塞急性期に適切かつ積極的に対処すべきである.
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