今月の主題 高齢者医療の新しい視点
座談会
21世紀の長寿医療を考える—“活力ある,豊かで成熟した”長寿社会を目指して
尾嵜 新平
1
,
井口 昭久
2
,
稲垣 俊明
3
,
遠藤 英俊
4
,
井形 昭弘
5
1厚生省老人保健福祉局老人保健課
2名古屋大学医学部老年科学
3名古屋市厚生院内科
4国立療養所中部病院老年科
5国立療養所中部病院
pp.1395-1404
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903762
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井形 それでは,座談会「21世紀の長寿医療を考える」を始めさせていただきます.
ご承知のように,わが国は世界に類を見ない速さで高齢化社会に突入しつつあります.現在の全人口に占める高齢者の割合は14%ですが,やがては25%になるといわれております.現在の14%という数字でさえ,合併前の東ドイツの総人口を上まわっています.東西両ドイツは社会体制が全く異なっていましたが,時代の要請によって合併という大事業をなし遂げました.その大事業と同じように,わが国における高齢者層とそれ以外の層との「医療」は質が違っていますが,その融合はわが国の将来を考える場合,必要不可欠なものとなっています.今や世界一の長寿国となったわが国が,今後どのような長寿医療体制をとるのか,先進各国もその範とすべく見守っているのが現状です.
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