今月の主題 不整脈診療のための心電図の見方
不整脈からみた基礎心疾患の病態の理解
ヘミブロック,脚ブロックからの心筋虚血部位診断
宮崎 利久
1
1慶應義塾大学医学部呼吸循環器内科
pp.930-933
発行日 1995年5月10日
Published Date 1995/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903649
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ポイント
●心室内刺激伝導系は主として左冠動脈前下行枝または右冠動脈から血液供給を受けている.
●急性心筋梗塞に合併する脚ブロックは左冠動脈前下行枝閉塞によることが多いが,慢性の冠動脈疾患で認められる脚ブロックと特定の冠動脈病変との密接な関連はない.
●右脚ブロック,ヘミブロック時の心室中隔および左室の興奮伝導は正常に近く保たれるため,心筋虚血・梗塞によりST-T変化・異常Q波が出現し,部位診断が可能である.
●左脚ブロック時には左室の生理的な興奮伝導が障害されQRS・ST-Tが著しく変形するため,心筋虚血・梗塞がST-T変化・異常Q波として反映されず,その存在および部位診断は困難である.
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