カラーグラフ 生検による組織診断・10
リンパ節
元井 信
1
1鳥取大学医学部病理学第2講座
pp.2233-2237
発行日 1994年10月10日
Published Date 1994/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903029
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
リンパ節生検の手技
リンパ節腫大をきたす疾患にはリンパ節自体の病変のみならず,他臓器の疾患と関係したものもあり,病変の性格も多岐にわたる1).したがって,その生検は他の検査による診断の確認,疾患の診断,治療方針の決定,予後の判定に極めて有用な情報を提供する.
リンパ節生検からより多くの情報を得るためにはいくつかの留意すべき点がある.摘出にあたっては,①慢性炎症,萎縮,脂肪化,線維化などの影響を受けやすい鼠径部や腋窩部はできるだけ避け,頸部や鎖骨上窩の②最も大きなものを,③被膜ごと摘出する.④摘出したリンパ節は丸ごとすぐホルマリン固定液に入れず,中心部を切り出し,速やかに固定して病理組織診断に供する.多くの症例の日常診断にはパラフィン切片を用いるHE染色とマーカー検索で十分であるが,⑤必要に応じてその他の検索(スタンプ,電顕,培養,表面マーカー,染色体,DNA解析)も可能にするための配慮がなされなければならない.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.