薬を正しく使うためのDrug Information—副作用について・7
血栓溶解薬による出血
塚田 理康
1
1虎の門病院血液学科
pp.1585-1588
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902879
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ウロキナーゼ(UK)および組織型プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)はプラスミノゲン(PLG)をプラスミンに活性化してフィブリン血栓を溶解することを目的として投与される.t-PAは発症6時間以内の急性心筋梗塞の冠動脈血栓溶解を適応とし,UKは①t-PAと同様に新鮮な心筋梗塞,②発症5日以内の脳血栓症,③発症10日以内の末梢動脈・静脈血栓症,を適応としている.
本療法中に頭蓋内出血を含む重症出血を認めた症例が報告され,この副作用を回避するため,①治療の適応,②投与量,③本療法中に避けるべき処置,などの点が検討されてきた.本稿ではこの点を中心に解説を加える.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.