今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
呼吸器疾患
肺炎
宮城 征四郎
1
1沖縄県立中部病院
pp.582-585
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901440
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肺炎は下気道感染症候群であって,起炎菌が同定されてはじめて1疾患としての取り扱いが可能となる.その病態はきわめて複雑・多岐にわたり,臨床的には起炎菌,宿主因子,誘因,臨床症状および経過,予後などがことごとく異なる.したがって,肺炎を取り扱う場合には,宿主が感染を受ける環境(とくに院外か院内か),急性または慢性の発症,全身的・局所的基礎疾患の有無,肺の感染防御機構の破綻に関する情報,全身管理の方法や合併症の検索,起炎菌の同定と有効薬剤の選択などの配慮なしには的確な治療上のアプローチは不可能である.
しかし,これらの事柄がすべて明らかになるには多少の時間が必要であり,リアルタイムの治療や管理には間に合わないことが多い.ここでは,肺炎患者を診察した瞬間から開始されるべき緊急項目を中心に,肺炎の取り扱い方を述べる.
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