今月の主題 Common Diseases リアルタイムの診断・治療手順
editorial:Common Diseases—リアルタイムの診断・治療手順
尾形 悦郎
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.538-539
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901429
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●医療は4次元の行為
患者が抱える多くの問題(problem)に対応する際には,意識的にそれぞれの問題をまず提示し,次にその問題ごとにSOAPを示しつつ医療にあたるのが基本であることはいうまでもない.寸暇を惜しんでもこの線に沿ったmedical recordを作るべきである.
しかし実際の医療の現場では,1つの問題が,それのみで一人歩きをするのではなく,多くの問題が同時多発的に出没・変化する.私達はこれら多くの問題を抱えもつ患者を一個の人間として,全体的に,しかも時間との関連で対応する必要に迫られる.したがって,ある時点では問題自体も互いに錯綜するし,それぞれの問題についてたてた診断planや治療planも錯綜する.現場の臨床医は,これら複数の問題とそれに対するSOAPを瞬間瞬間において常に統合的に把握することを要求される.実際に医療行為に移る場合には,とりあえずは一度には1つのことしかできないことがしばしばである.
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