今月の主題 胆道系疾患1992
胆道系疾患診断の基本と最近の進歩
腹痛の鑑別からみた胆道系疾患の診断
門田 俊夫
1
1防衛医科大学校・外科学第1講座
pp.238-239
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901360
- 有料閲覧
- 文献概要
胆道疾患は,急性腹痛を起こす疾患の中でもっともポピュラーな疾患のひとつである.その腹痛を細かく見ると,1)自律神経を介した心窩部から臍周囲への間欠的な疼痛を特徴とする内臓痛(visceral pain),2)腹膜の神経が炎症などで刺激されて生じ,筋性防御や発熱を伴う腹膜痛(parietal pain),3)これらと関連した神経の刺激で離れた部に生ずる関連痛(referred pain)の3つに大別される.
胆道疾患の場合,これらが単独あるいは複合した疼痛として生じ,時として非常に複雑な病状を呈する.したがって胆道疾患の正しい診断のためには,taking history and physical examination(患者の訴えや病歴を十分聞き,全身をくまなく診察すること)がなににもまして重要なステップである.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.