今月の主題 循環器薬の使い方 '92
(editorial)循環器薬を有効に使う
山口 徹
1
1三井記念病院・循環器センター内科
pp.6-7
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901293
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循環器を専門としない医師にとっては循環器薬の使い方は難しいという話を聞くが,本当にそうであろうか.確かに循環器疾患に対する新薬は多いかもしれない.今や循環器を専門とする医師にとってもすべてを理解し使いこなすことはもはや不可能で,β遮断薬が何種類発売されているか,筆者も知らない.しかし筆者は,以前本誌で循環器薬のminimum requirementとして10薬を挙げたが1),今だ特別の変更を必要としないと考えている.さらに2,3薬追加すれば,専門外来といえども90%の症例には十分対応可能であろう.
筆者の病院では処方をコンピューター入力するようになり,画面上の薬剤から選択,入力できる.1画面には30種類(含有量の違う同一薬を含めて)の薬剤が登録できるが,慢性心疾患の治療はほぼこの1画面で事足りている.これだけなら,専門外でも作用,副作用に精通することは不可能ではあるまい.では,なぜ使い方が難しいとされるのか.使い方の基本と問題点を整理してみたい.
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