増刊号 わかりやすいエコー法の臨床
心エコー法
疾患と心エコー図異常
心膜疾患
羽田 勝征
1
1JR東京総合病院・循環器内科
pp.172-177
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901141
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●検査の手順
体位は左側半臥位が原則であるが,心膜疾患の多くは心タンポナーデなどの緊急時や開心術直後など自由な体位がとれないことがあり,限られた体位で短時間に行わねばならないことがある.検査は断層法が中心である.胸骨左縁,心尖部および季肋部がプローブの標準的位置である.術直後の場合はエコーウィンドウが限られ,また,肺うっ血が加わっていると,超音波ビームが投入困難で,呼気止めも難しく,良好な断層像は期待できない.Mモード法は,胸骨左縁から左室短軸径を記録する方向で利用される.心臓前方,後方のエコーフリースペースは画面の上下に余裕をもって記録しなければならない.初心者が画面上に心臓を大きく出しすぎて心?液を見落とすことがある.
タンポナーデにみられる右室前壁の拡張期虚脱や,僧帽弁の偽性逸脱所見,左室後壁側の心膜,心外膜動態,および心室中隔,左室後壁の運動はMモード記録にて判定されるものである.
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