今月の主題 リンパ系疾患の臨床
リンパ系疾患の基礎
リンパ球の産生と分布
三方 淳男
1
,
田丸 淳一
1
1千葉大学医学部・第1病理
pp.1132-1133
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900941
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リンパ球のT,B2系統の分立は,1961年Millerの新生児マウスの胸腺摘出実験に端を発している.マウス,ラット,ウサギなどの胸腺を新生児期に摘出すると,成体となって細胞性免疫能の低下をきたす.一方,生後まもないニワトリ雛からファブリキウス嚢を摘出すると,液性免疫能の低下をもたらす.これらの実験結果に相当するヒトの先天性免疫不全症としては,DiGeorge症候群およびBruton型無γグロブリン血症がある.このような実験,臨床的事実に基づいて,リンパ球は,その由来・機能に従って,胸腺(Thymus)依存リンパ球と,嚢(Bursa)相当器官依存リンパ球の2系統に分けられるようになった.
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