今月の主題 アレルギー疾患診療の実際
治療の実際
接触皮膚炎
中山 秀夫
1
1東京都済生会中央病院・皮膚科
pp.320-321
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900729
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●接触皮膚炎とは
1.刺激性接触皮膚炎
ある化学物質が皮膚に接触して,直接毒作用を及ぼして表皮細胞や真皮の組織を損傷し,炎症を起こすと,刺激性接触皮膚炎と呼ばれる.急性に生じる場合を急性刺激性接触皮膚炎といい,原因化学物質が何回も繰り返し患部に接触して発症する場合を慢性刺激性接触皮膚炎という.
衣類に灯油(Kerosine)が付いたのをそのまま着ていると,発赤,大水疱,膿疱,疼痛が現れるが,これが前者の代表例である.一方,家庭の主婦が防具をつけずに毎日強力な台所洗剤を希釈不十分のまま皿洗いをしていると,1〜2カ月で指先が乾燥,肥厚し,紅斑,皹裂,疼痛が出現して,指紋が消失する.これが後者の代表例である.
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