演習 内科専門医による実践診療EXERClSE
全身倦怠感,食欲不振,意識消失発作/蛋白尿,腎機能低下
板東 浩
1
1徳島大学医学部・第1内科
pp.2367-2370
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900612
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55歳,男性,農業.家族歴に特記事項なし.既往歴:31歳時に肺結核で1年間入院.現病歴:昭和62年1月下旬頃より全身倦怠感,食欲不振および嘔気が出現し,近医を受診.感冒と診断され加療を受けたが,症状は次第に増悪してきた.3月5日に意識消失発作がみられ,血清Na 117mEq/1,空腹時血糖59mg/dlと低Naおよび低血糖が認められたため,入院した.
理学的所見:身長170cm,体重50kg.脈拍72/分,整,血圧100/58.意識清明,皮膚は乾燥し,やや蒼白,色素沈着を認めず.結膜は軽度貧血性であるが,黄疸なし.頸部リンパ節の腫脹や甲状腺腫を認めない.心肺に異常なく,腹部は平坦,軟,肝脾触知せず.腋毛はやや減少.下腿に浮腫なく,神経学的に異常を認めない.
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