今月の主題 内科医のための小児診療のコツ
小児保健指導の要点
予防接種
井関 幹郎
1
1慶応義塾大学伊勢慶応病院・小児科
pp.1397-1401
発行日 1990年8月10日
Published Date 1990/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900357
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●予防接種全般に共通する事項
1.予防接種は何歳から何歳まで行えるか?
予防接種法では,接種を受ける年齢が定められている(図1).しかし,予防接種の本来の目的を考えれば,なるべく早期に接種を終えることが望まれる.
細菌またはウイルスの感染防御抗原を抽出し,免疫原とする不活化ワクチン(図1)は,新生児から老人に至るどの年齢に接種しても,臨床の現場で問題とせねばならないほどの抗体産生の差や,副反応の差は見られない.しかし,生きた菌体またはウイルスを接種する生ワクチンは,弱毒化されているとはいうものの,菌体が体内で増殖し,その結果,被接種者が感染防御能を獲得するため,免疫力の低い新生児や免疫不全患者には,原則的に接種を控える.
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