今月の主題 臨床医のための免疫学
免疫反応により分泌される物質
免疫抗体の働き
大西 三朗
1
,
西原 利治
1
,
前田 隆
1
,
山本 泰猛
1
1高知医科大学・第1内科
pp.408-410
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900105
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ヒトの免疫抗体(免疫グロブリン)は抗原刺激を受けたB細胞が分化して,合成,分泌する蛋白質であり,抗原と特異的に結合する.無数に存在する抗原に対応する免疫グロブリンの多様性は多重遺伝子の再編成により形成される.免疫グロブリンの細菌,ウイルスなどに対する生体防御機構は抗体の構造と機能の関連についての知見により明らかにされている.すなわち抗体分子は抗原結合部位と生物活性担当部位より構成され,抗体分子の抗原への結合,続いて食細胞,リンパ系細胞,あるいは補体との結合によりエフェクター相が作動し,抗原分子の破壊,排除が行われる.
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