免疫と病気・4
免疫不全—免疫の働きが悪いとどうなるか
矢田 純一
1
1東邦大学医学部小児科
pp.417-420
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918373
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免疫の働きが悪いと,さまざまな困った問題が起こってくる.その最大のものは,感染に対する抵抗力が弱まることである.そのほか,体に何かの機会に(例えば輸血など)他人の細胞が侵入してきたとき,それを排除できず,生き残って体に害を与えることも起こる.また,癌にかかりやすくなるともいわれ,免疫機能の悪い人の癌の発生率は,そうでない人の100倍におよぶといわれる.アレルギーは免疫の異常によって起こる病気であるが,免疫の仕組みを正常に調節することができないため,そのようなアレルギー病を起こすことも多くなる(図1).
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