特集 “とりあえずスタチン”から脱却!—動脈硬化性疾患一次予防・最新の考え方
疫学
脂質異常症の疫学
東山 綾
1
1和歌山県立医科大学医学部衛生学講座
キーワード:
総コレステロール
,
TC
,
循環器疾患基礎調査
,
国民健康・栄養調査
,
LDLコレステロール
,
LDL-C
,
治療率
Keyword:
総コレステロール
,
TC
,
循環器疾患基礎調査
,
国民健康・栄養調査
,
LDLコレステロール
,
LDL-C
,
治療率
pp.1207-1211
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229667
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
◎わが国の代表集団を対象に,1980年以降の時代的変遷を追える血中脂質の指標は血清総コレステロール(TC)値である.30歳以上での血清TC平均値は,1980〜1990年代にかけて大きく上昇し,その後はほぼ横ばいであるが,近年は若い世代で上昇傾向にある.
◎欧米先進国における国民のTC平均値はわが国より大幅に高かったが,現在は低下傾向にあり,わが国の値より低くなっている可能性も示唆されている.
◎日本動脈硬化学会の『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』では,個人の動脈硬化性疾患発症リスクに基づく脂質管理区分にかかわらず,LDLコレステロール(LDL-C)が180 mg/dL以上の場合は薬物治療を考慮することが推奨されている.レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)によると,LDL-Cが180 mg/dL以上の集団における治療率は男女とも40〜69歳で10%未満であり,ガイドラインに基づく治療の推進が望まれる.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.