特集 この1冊でもう安心!—内科医が押さえておきたい「しびれ・ふるえ・めまい」の診かた
Column
Wallenberg症候群を見逃すな!
岩崎 靖
1
1愛知医科大学加齢医科学研究所
pp.1120
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229641
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めまいを訴える患者において,頻度は高くないが絶対に見逃してはならない疾患がWallenberg症候群である.延髄外側の梗塞によりめまいを生じ,錐体路は障害されないので運動麻痺は呈さない.診断にはMRIが必須であるが,特徴的な神経症候を理解していれば容易に診断可能である.筆者も救急外来や耳鼻咽喉科からのめまい患者のコンサルトで,「頭部CTで異常はなく,運動麻痺もないが念のため診察してほしい」と依頼され,神経学的診察のみで,「Wallenberg症候群だと思います.MRIで延髄外側梗塞があるはずです」と伝え,実際にMRI画像で病変を認めて,“どや顔”をした経験が何度もある.
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