特集 一般医家のための—DOAC時代の心房細動診療
扉
赤尾 昌治
1
1国立病院機構京都医療センター循環器内科
pp.2202-2203
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229309
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心房細動患者の脳梗塞予防のための経口抗凝固療法は,それまではビタミンK阻害薬であるワルファリンだけしか選択肢のなかったところに,特定の凝固因子を直接的かつ選択的に阻害する直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)が2011年以降次々に登場し,新たな時代を迎えることとなった.DOAC登場以来10年以上が経過したが,ワルファリンのような頻回の採血による用量調整も不要で,食事や併用薬の制限も少なく,利便性に優れるDOACは日常診療に着実に浸透した.また,心房細動に対するアブレーション治療も,新たなテクノロジーの導入によって有効性や安全性が向上し,目覚ましい進歩を遂げた.
人口の高齢化が進むなか,心房細動に関する社会的な関心の高まりもあり,数多くの臨床試験や観察研究の結果が次々と発表されて,その病態や治療について多くのことが明らかにされてきた.こうした成果を受けて,心房細動に関するわが国の診療ガイドラインも,非薬物治療については2018年に,薬物治療については2020年に大幅に増補・改訂された.
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