今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
小児科
発疹
武内 可尚
1
1川崎市立川崎病院・小児科
pp.822-824
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222462
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●鑑別すべき疾患と診断方法
小児期にみられる麻疹などの古典的発疹性疾患は,感染性発疹症infectious exanthems1)とも呼ばれ,小児の感染症の中で重要な位置を占めている.これらの中から,麻疹,風疹,水痘,突発性発疹,猩紅熱,伝染性紅斑,手足口病,伝染性膿痂疹,ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群,川崎病の10疾患を選び,表に鑑別の要点をまとめた.
発疹は色調,形状,大きさ,発現部位,癒合しているか否か,痒みの有無,時間的経過などを記載する.その他の随伴症状としては,発熱,咳嗽,嘔吐,下痢,腹痛,咽頭痛,関節痛などであり,診るべきポイントとしては,一般状態,眼や口腔・咽頭粘膜の所見,リンパ節腫脹の有無などである.典型例では発疹を見ただけで診断可能ではあるが,年齢,季節,環境,ワクチン歴などの疫学的要素と諸症状を総合的に考慮したうえで診断に持って行くのが本来の形である.小児では重複感染も少なくない.
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