今月の主題 デルマドローム—内科疾患と皮膚病変
発熱を伴う発疹症の診断
西脇 宗一
1
1関東中央病院皮膚科
pp.1560-1561
発行日 1978年11月10日
Published Date 1978/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208081
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はじめに
発熱を伴い,全身に紅斑や小水疱が散在性にあらわれる疾患は,頻度の高いものをあげれば,感染症と薬疹がある.たとえば,乳児であれば突発性発疹,幼小児であれば麻疹,風疹狸紅熱(溶連菌感染症),SSSS(S-TEN,)水痘,新しいウイルス性発疹症などの感染症が多い.これに対し成人では感染症よりも薬疹が多い.
その理由は,小児では感染症に対する防御抗体がそろっていないので罹患しやすく,その上Echoウイルス感染などに際しては成人より発疹出現頻度が高いという年齢的特徴がある,一方,成人では過去の薬剤使用回数が多く,感作機会が多いため薬疹が多いと考えられる,とはいえ,小児に薬疹を,成人にウイルス性発疹症をみることがないわけではない.
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