特集 令和の頭痛診療—プライマリ・ケア医のためのガイド
Column
頭痛の日・JPAC
石﨑 公郁子
1
,
菊井 祥二
2,3
,
田畑 かおり
4
1偕行会リハビリテーション病院内科・リハビリテーション科(神経内科)
2寿会富永病院脳神経内科
3寿会富永病院頭痛センター
4寿会富永病院看護部
pp.2460-2461
発行日 2022年12月10日
Published Date 2022/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228660
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わが国には約4,000万人の慢性頭痛患者が存在し,そのうち約800万人が片頭痛患者である.片頭痛はGlobal Burden of Disease Study2016(GBD2016)において日常生活に支障をきたす原因疾患の2番目に挙げられており,その症状は軽くないと言える.にもかかわらず,頭痛性疾患は社会的に疾患としての認識が乏しく,多くの患者が医療機関を受診していない.頭痛は多くの人が経験することが多い「症候」でもあるため,「たかが頭痛」と捉えられてしまう.そのため患者は苦痛を感じながらも「たかが頭痛」で仕事や家事を休むことや医療機関を受診することを躊躇してしまい,適切な治療を受ける機会を逃している.さらに医療者側の問題として,頭痛性疾患の重症度に対する認識不足や診断・治療に対する知識不足がみられる場合があり,必ずしも患者が望む頭痛診療を提供できていないこともある.
頭痛性疾患に関する啓発の1つとして,日本頭痛学会と日本頭痛協会では,2月22日を「頭痛の日」と制定し活動している.毎年テーマを決め,それに基づくポスターなどを作製し発信することで,頭痛に関する知識の普及に努めている.2022年は頭痛診療のイメージカラーであるグリーンを基調としたピンバッチが作成され配布された.
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