特集 自信をもって対応する—虚血性心疾患
虚血性心疾患の慢性期治療
二次予防のための糖尿病管理
稲田 司
1
1大阪赤十字病院心臓血管センター循環器内科
pp.1852-1856
発行日 2017年10月10日
Published Date 2017/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225165
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Point
◎糖尿病は心血管疾患の発症ばかりでなく再発の危険因子でもある.
◎運動療法はインスリン抵抗性を改善し,総合的代謝改善に有効である.心臓リハビリテーションとして心事故回避にも有益である.
◎大規模臨床研究の歴史では,強化血糖降下療法は大血管障害に対する有効性が証明できなかったが,総合的な代謝が改善された研究では有効性が示された.また,晩期の観察から“legacy effect”や“metabolic memory”の概念が提唱され,厳格な血糖降下療法の効果も期待できることが判明した.
◎心筋梗塞既往のある2型糖尿病(T2DM)に対しては,血糖を至適にコントロールすることが前提ではあるが,低血糖に注意し,代謝改善が期待できる薬剤を中心に組み立てるとよい.
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