特集 心電図を詠む—心に残る24症例から
不整脈
WPW症候群
佐々木 康博
1
,
北井 豪
1,2
1神戸市立医療センター中央市民病院
2クリーブランドクリニック循環器内科
pp.662-665
発行日 2016年4月10日
Published Date 2016/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224133
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ポイント
●カテーテルアブレーションでの治療を検討する際は,副伝導路の局在診断が重要である.
●顕性WPW症候群ではQRS波に早期興奮を表す特徴的なΔ波を認める.V1誘導においてΔ波-QRS波の形状から大まかな副伝導路の局在が推測できる.
●ただし,Δ波がないからといってWPW症候群でないとは断定できない.間欠的にΔ波が出現する症例や,順行性の房室伝導はなく逆行性の室房伝導のみもつ症例もある(潜在性WPW症候群).
●Kent束を介した心室早期興奮が左室非同期収縮を生じ,心機能低下をきたすことがある.
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