連載 Step up腹痛診察・24
45歳男性,心窩部痛
小林 健二
1
1亀田京橋クリニック消化器科
pp.1617-1620
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223681
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
[現病歴]約3カ月前から,時々食後30分ほどして心窩部痛を自覚するようになった.痛みの始まりは比較的急で2時間〜半日程度持続した後に徐々に軽快した.特に脂肪分の多い食事を摂取した後や飲酒後に疼痛が出現することが多かった.疼痛は背部へ放散することもあった.痛みの性状は鈍痛で強さはNumeric Rating Scale(NRS)で3〜5/10だった.時に嘔気を伴ったが嘔吐はなかった.痛みが出現した際に市販の胃薬を服用したが,症状はまったく改善しなかったため来院した.来院時には腹痛はなかった.下痢,黒色便,発熱,体重減少はなかった.
[既往歴]脂質異常症.
[常用薬]ベザフィブラート(ベザトール®SR).
[社会歴]喫煙:10本/日×27年.飲酒:ビールもしくは酎ハイ 約2,000mL/日,毎日.ただし,週に2〜3回は飲食店で友人と飲酒し,そのような時の正確な飲酒量はわからない.最近1カ月間は腹痛があるため飲酒量を控えめにしている.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.