連載 Step up腹痛診察・19
43歳女性,心窩部痛
小林 健二
1
1亀田京橋クリニック消化器科
pp.582-585
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223179
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[現病歴]来院10日くらい前から心窩部痛を自覚するようになった.痛みは緩徐に始まる鈍い痛みで,上腹部の膨満感を伴った.食事との明らかな関連はなかった.当初の痛みの強さはNumeric Rating Scale(NRS)で3/10程度だった.1回のエピソードは数時間持続した.明らかな寛解・増悪因子はなく,放散痛,嘔気,嘔吐や黒色便はなかった.疼痛が始まって2日後に近医を受診し,H2受容体拮抗薬,粘膜保護薬を処方された.しかし,疼痛は徐々に増悪し早期飽満感を自覚するようになったため当院受診となった.受診時の疼痛の程度はNRSで5/10程度だった.経過中の食欲低下,体重減少はなかった.
[既往歴]虫垂炎(17歳時),右乳癌手術(41歳時).
[常用薬]レトロゾール(フェマーラ®).
[社会歴]喫煙:なし,飲酒:ワイン グラス1杯/回,月1〜2回.
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