連載 Step up腹痛診察・8
34歳男性,心窩部痛
小林 健二
1
1聖路加国際病院附属クリニック聖路加メディローカス一般内科
pp.750-753
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107486
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[現病歴]4カ月前から心窩部痛を自覚するようになった.痛みは食後徐々に出現し,30分~1時間程度持続した.痛みは重い鈍痛で,放散痛はなかった.時に軽度の嘔気を伴うことがあったが,それ以外に随伴する症状はなかった.食欲低下,体重減少,タール便,黒色便はなかった.症状は週に1~3日程度出現した.仕事が忙しく医療機関を受診する機会がなかったので,ときどき市販の胃薬を服用していた.胃薬の服用で一過性に症状はやや改善した.今まで胃の検査を受けたことはない.最近,64歳の父親が胃癌の診断を受け,自分も心配になり外来を受診した.最近の痛みの程度はNumeric Rating Scale(NRS)で2~3/10である.
[既往歴]なし [常用薬]市販の胃薬のみ
[社会歴]喫煙:10本/日×14年間.飲酒:ビール350mL/日,週2~3回
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