今月の主題 痛みの診断とその対策
末期癌の痛みの対策
心理療法
水口 公信
1
,
下山 直人
1
,
森口 弥生
1
,
蝶間林 一美
1
1千葉大学医学部・麻酔科
pp.2574-2575
発行日 1989年12月10日
Published Date 1989/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222990
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痛みがひどく,鎮痛薬の効果は少なくなり,1日中ベッドの上で点滴を受ける状態が続くと,終末期の患者は睡眠障害,食欲不振,抑うつ,不安,攻撃,焦燥感,また精神症状も悪化し,せん妄状態に陥る.このような終末期の患者に最近,ターミナル・ケアの重要性が強調されてきた.すなわち,全人的な立場から死に直面する患者の心の動きを知り,患者がどのようなニーズをもっているかなど心理機制を適切に把握することが,疼痛対策に大きな役割を演ずるからである.筆者らは,痛みをもつ癌患者の精神状態を知るために種々の心理テストを行い,心理療法を実施する際の指標としている.以下その概略を述べる.
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