演習 内科専門医による実践診療EXERCISE
下血,頭痛,めまい/腹痛,背部叩打痛
岡田 定
1
1昭和大学藤が丘病院・血液内科
pp.2289-2292
発行日 1989年10月10日
Published Date 1989/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222916
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53歳女性,主婦.現病歴:約20年前より発作性の回転性めまい,難聴,耳鳴りがあり,近医耳鼻科でメニエル氏病と診断され,経過を観察されていた.約7年前より毎年のように鮮血の下血がみられ,この頃より頭が熱くなるような発作,顔面の紅潮,著明な発汗心窩部不快感,めまいなどが出現し,徐々に増強し,約3年前からは入浴後の皮膚掻痒感も覚えるようになった.今回入院前日に下腹部痛の後,下痢を伴いコップ1杯程の鮮血の下血あり,近医を受診し,血液検査で異常を指摘され(これより以前に血液検査をしたことはなかった),本院に入院した.
身体所見:身長154cm,体重45.4kg,血圧130/80,脈拍88/分整,体温37.0℃,結膜は充血し,口腔粘膜・舌は紅潮.心肺異常なし.表在リンパ節・肝は触知せず.脾腫2.5横指.下腿浮腫なく,神経学的にも異常なし,眼底:赤みが強く,静脈の拡張と蛇行がみられた.
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