今月の主題 腎疾患診療の実際
糸球体腎炎—その診断と治療
急性腎炎症候群
伊藤 拓
1
1東京都立清瀬小児病院・小児科
pp.2584-2586
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222176
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WHOの腎疾患分類1)によれば,急性腎炎症候群とは血尿,蛋白尿,高血圧,腎機能障害,水・塩分蓄積を伴って急性に発症する腎炎群と定義されているが,Rodorigues-Iturbeは2)急性の経過で浮腫,血尿,高血圧,乏尿を来す腎炎を呼ぶなど,必ずしも明確な疾患群ではないようである.
WHOは急性腎炎症候群を示す疾患群,病理組織所見として表1のごとく記載している.一次性腎炎としては溶連菌感染後急性腎炎,特発性半月体形成性腎炎,膜性増殖性腎炎,二次性腎炎として紫斑病性腎炎,IgA腎症,ループス腎炎が主たるものであろう.
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