今月の主題 抗生物質の使い方
抗生物質投与の原則
異物の存在と感染症の治療
川名 林治
1
1岩手医科大学・細菌学教室
pp.2428-2429
発行日 1988年10月10日
Published Date 1988/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222138
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異物の存在がしばしば感染症を誘発し,また感染症の治療に障害をきたすことは周知のとおりである.とくに最近は種々の重篤な基礎疾患を有する患者に,さまざまな手術,処置,検査などが実施され,これらが異物として反対の働きをなし,本来の目的からはずれて,感染症を誘発することが少なくない1,2).この際には,原因となる異物を除去することを原則とし,またカテーテルなどの長期挿入を可及的避ける一方で,局所の消毒や感染防御に留意し,万一感染が起こった場合は,起因菌の分離・同定と,感受性試験の実施を行い,その結果をもとに,抗生剤の特性を考慮して,積極的な化学療法をすすめることが大切である3).
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