増刊号 診断基準とその使い方
VIII.膠原病・免疫・アレルギー
14.成人発症Still病
星 恵子
1
1聖マリアンナ医科大学・第1内科
pp.2114
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222016
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■疾患概念と疫学
小児に発症する慢性関節リウマチのうち,発熱,発疹を伴う全身型をスチル病と呼ぶが,成人でも同様の症例がみられるようになり,これを成人発症スチル病という.なお,Subsepsis allergica,Wissler's syndromeは,本症の別名でもある.
臨床所見は,多発関節炎に加え,発熱(日差が著しく,下熱時には平熱以下になることがある.spiking feverと表現される)と,発疹(麻疹様の小さな紅斑で,色はサーモンピンク.下熱時に消退することがある)が特徴的な所見で,腱滑膜炎,心膜炎,胸膜炎などの漿膜炎,リンパ節炎,肝・脾腫を合併することがある.検査所見では,赤沈の亢進,白血球数増加をみるが,リウマチ因子は陰性で,seronegative arthritisの1疾患である.抗核抗体も陰性である.
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