増刊号 診断基準とその使い方
VII.血液
16.慢性リンパ性白血病(Hairy Cell Leukemiaを含む)
木谷 照夫
1
1大阪大学微生物病研究所・内科
pp.2042-2043
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221995
- 有料閲覧
- 文献概要
■診断基準(表)
■疾患概念
リンパ系細胞の腫瘍性増殖のうち,経過が慢性で,末梢血に正常リンパ球とほぼ同じ形態の白血病細胞が増加する疾患を慢性リンパ性白血病(CLL)という.この白血病細胞の免疫学的性格より大多数の例(95%以上)はリンパ球のうちのB細胞に由来した白血病であることが明らかにされており,形態的には核クロマチンの濃縮した,細胞質の少ない小リンパ球である.
その後,CLLの中にT細胞形質をもつ例が見出された.このT-CLLの白血病細胞は形態的に小リンパ球の例は稀で,アズール顆粒をもった大リンパ球(large granular lymphocyte:LGL)のことが多い.元来正常末梢血LGLは免疫形質からみて多彩であるが,T-CLLのそれも同じく多様である.なかにはLGLの機能であるNK,ADCCなどをもつものがある.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.