今月の主題 老人診療のポイント
症候・病態の特徴
肺炎
福島 保喜
1
1東邦大学医学部・第2内科
pp.1318-1319
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221779
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老年者の診療の中で,肺炎がもつ意味が今日もなお軽減していないことは事実であり残念なことである.しかし過去10年間におけるその内容の実態はかなりの変貌をみせている.その理由の1つは新しく加わっている老年者の日常生活活動ADLが次第に高まってきており,変革を遂げているからとみられる.すなわちこの稿で述べる内容も次第に変化をみせてゆくであろうことを念頭に入れながら,実際の診療に当るよう強調しておきたい.
老年者肺炎の症候や病態を観察する際も感染症の一般原則である宿主と感染因子の相互の力関係が支配することに変りはない.しかし老年者が脆弱宿主compromised hostと呼ばれるように,その内容は多彩であり,個体ごとに一様ではない.
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