今月の主題 リウマチとその周辺
治療
アフェレーシス
吉野谷 定美
1
1東京大学医学部附属病院中央検査部
pp.994-996
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221705
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■血漿交換療法はRAに有効か
すでにいくつかの施設において血漿交換療法がRAの治療に用いられ,有効であるとする者1),無効と唱えるもの2,3),の両意見がある.本邦でも年間100〜150例のRA患者の治療が本方法により行われており,現在のところ他疾患に本方法を実施する機会よりもはるかに多いのが現状である.本邦での治療成績については,有効とするものが多いようであるが,悪性関節リウマチに限定して実施しているため,皮膚潰瘍や発熱,肺病変などの合併症に著明な効果をみたとするものが多く,肝心の関節炎,骨破壊に対する効果については述べられていない.
しかし,血漿交換療法の実施者達は,この治療を受けた直後の患者に関節炎が速やかに消褪してゆく場合のあることを目撃しており,少なくとも,短期間の抗炎症効果は確実であると述べている.問題は血漿交換療法がRAの真の病態をとり除く手助けとなっているかどうかであるが,以下に示すように,免疫異常を是正する効果が認められることも確かなようである.
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