増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅶ 血液疾患治療薬
リンパ系腫瘍
177.非ホジキンリンパ腫の薬物治療
木村 郁郎
1
,
林 恭一
1
1岡山大学医学部・第2内科
pp.2194-2197
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221297
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非ホジキンリンパ腫(NHL)は,消化管に初発する一部の症例を除き,放射線療法あるいは化学療法の適応となる.本症では,確定診断時にすでに放射線療法の適応範囲を越えたⅢ,Ⅳ期症例が大多数を占める.かつてはNHLの治癒は,放射線療法が行われた限局期症例の一部においてのみ可能であったが,最近では強力な多剤併用療法を行うことによって,組織型によっては進展期症例に治癒のもたらされることが確認されている1,2).
NHLにはnatural historyの著しく異なるいくつかの組織型が含まれており,それぞれの組織型,病期に応じた治療計画が必要とされる.現在では化学療法がNHL治療の中心的役割を占めているが,その最終目的を治癒におくべき症例が少なくないことを銘記すべきであろう.
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