救急 図解・救命救急治療
急性心筋梗塞の初期治療
田中 啓治
1
1日本医科大学・集中治療室
pp.1504-1509
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221070
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急性心筋梗塞の発症直後の死亡率はきわめて高く,死亡例の40〜75%は1時間以内に起こる突然死で,そのほとんどが心室細動によるという.また,梗塞範囲が左室心筋の40%をこえると心原性ショックに陥り,この死亡率は70〜90%にものぼる.したがって,発作早期に適切な治療を開始すれば,上記不整脈死を減じたり,梗塞壊死範囲を縮少せしめ,ポンプ不全の出現を未然に防ぐことも可能であると考えられる.
かかる観点から,急性心筋梗塞の救急治療の原則は,一刻も早く患者をCCU(Coronary Care Unit)に収容し,厳重な監視下におくことである.図1に急性心筋梗塞の救急治療体系を示し,以下これにそって解説する.
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