今月の主題 内科医に必要な救急治療
症状を中心とした救急治療
下痢
谷村 仲一
1
1京都第二赤十字病院・救命救急センター内科
pp.814-816
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220941
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基本的な考え方
下痢はその発症形式と経過から,一カ月以上続くような慢性下痢と急性下痢に分けられるが,救急治療の対象となるのは後者の急性下痢である.また下痢は器質的原因疾患の有無から器質的下痢と機能的下痢に分類できるが,急性下痢の大部分は器質的下痢であり,急性腸炎の概念に含まれる.なかでも細菌やウイルスの感染による感染性腸炎が最も多い.この急性下痢の救急診療においては対症療法としての水と電解質の補充が治療上重要となるが,容易に脱水状態に陥りやすい幼児や老人においては循環不全の重症度をチェックする必要がある.
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