今月の主題 感染症の動向と抗生物質
治療の進歩
キノロンカルボン酸をどう使うか
柴 孝也
1
1東京慈恵会医科大学・第2内科
pp.1720-1721
発行日 1986年10月10日
Published Date 1986/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220574
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キノロンカルボン酸系剤は,1980年代に入り相次いで新しい誘導体の開発が続いている,ここにきて一層その感を強め,pipemidic acid(PPA,ドルコール®),norfloxacin(NFLX,バクシダール®)に続いて,enox-acin(ENX,フルマーク®),ofloxacin(OFLX,タリビット®)など,広域で,しかも優れた抗菌力をもつ薬剤が開発された.さらに,ciprofloxacin(CPFX)のように発売認可を待つものや,開発段階にあるものまで多数続いており,まさに新しいキノロンカルボン酸系の時代を迎えているといってよい.ここでは,キノロンカルボン酸系剤の抗菌力,吸収・排泄について略記し,呼吸器系感染症にまで適用を拡大した本系剤を臨床使用する際の留意点について述べる.
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