新薬情報
アルボ—〔大正製薬〕 一般名:オキサプロジン—非ステロイド抗炎症剤
水島 裕
1
1聖マリアンナ医科大学・第1内科
pp.722-723
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220326
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概略
ここ数年,非ステロイド抗炎症剤(以下非ステロイド剤)の開発が著しいが,中でもlong-actingの薬剤の登場が注目される.すなわち血中濃度の持続により,従来1日3回服用しなければならなかった薬剤が2回,1回ですむようになり,患者の服薬負担を軽減すると同時に,コンプライアンスの上昇による治療効果の向上が期待できるようになった.一方,このようなlong-acting薬剤は,蓄積による臓器障害,とくに肝.腎に対する障害が懸念され,事実社会問題となった諸例もある.
そこで1日1回投与ですみ,しかも腎障害などの少ない非ステロイド剤の開発が望まれる.このたび発売されたアルボはこの性質をもつものであり,これは,この薬剤がlong-actingであると同時に,腎集中性がないこと,選択的プロスタグランディン(PG)合成抑制作用をもつプロピオン酸系に属することが関連しよう.なお,本稿中の図表は主に申請時の会社側資料である.
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